玄米は精米しないでそのまま食べられる?

発芽玄米ブログ

「精米」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。

現在では最初から白米になった状態のお米を購入する機会が多いため、あまりイメージが湧かない方もいるかもしれませんね。

精米とは、玄米から糠(ぬか)を取り除くこと。100%取り除くこともできれば、一部だけを取り除くこともできるんですよ。

この記事では、以下のようなお悩みにお応えします。ぜひ最後までご覧ください。

  • 精米とはどのようなもの?
  • 玄米は必ず精米する必要があるの?
  • 玄米を精米する方法は?

 精米とはどのようなもの?

精米とは、玄米の表面を覆っている糠(ぬか)を取り除くことをいいます。糠とは、お米の胚乳(いわゆる白米の部分)の外側に層をなす「糊粉層」・「種皮」・「果皮」・「ロウ層」と、一部に付着してる「胚芽」の総称。精米することによって、これらの層の全部、もしくは一部を取り除いていきます。

精米することを「搗く(つく)」ともいい、後ほどご紹介する「分づき米(ぶづきまい)」は「一部分を搗(つ)いたお米」というところから来た呼び名です。

精米の目的

玄米を精米する目的は、白米や分づき米(ぶづきまい)を作ること。白米は糠を全て(10割)取り除いたお米で、分づき米は糠の一部を取り除いたお米を指します。

「七分づき」であれば糠を7割取り除いたお米、「五分づき」であれば5割取り除いたお米ということ。

なぜ白米や分づき米にするかといえば、お米を好みの味や食感にするためであったり、人によっては消化に負荷のかかる糠(ぬか)を適度に取り除くためです。

精米の工程

精米はどのような工程で行われるのでしょうか。

ここでは、街かどで見かけるコイン精米機の一般的な工程をご紹介します。コイン精米機には、籾(もみ)の付いたお米を投入できる機種と玄米を投入する機種あり、工程に若干の違いがありますので、今回は玄米を投入する機種について見ていきましょう。

精米機に玄米が入ると、まず小石や籾がらなどの混入物がないかのチェックがスタート。ふるいや磁石、風圧などにより不要なものが弾かれ、混ざりものがない玄米だけの状態に整えます。

玄米だけになれば、いよいよ精米の開始。玄米の表面を磨いていきます。

コイン精米機の精米方式は主に2種類。砥石を使って玄米を磨く「研削式」と、玄米同士をこすり合わせて精米する「摩擦式」のどちらかが機械に搭載されていますので、それを使って糠を取り除いていきます。

精米された玄米が受取口に集まり、持参した袋などに移したら完了です。

精米の歩合(ぶあい)

精米の歩合(ぶあい)とは、糠をどの程度の割合で取り除くか、ということです。

例えば精米歩合が5割なら「五分づき米」(5割だけ精米したお米)、7割なら「七分づき米」(7割だけ精米したお米)、10割なら「白米」(10割精米したお米)になります。

精米機の性能によっては、白米の表面を更に削った「上白米」や、「無洗米」にすることも可能です。

玄米を精米するメリット・デメリット

玄米を精米することには、メリットとデメリットの両方の側面があります。

好みや目的によっては、ある人にとってのメリットが別の人にとってのデメリットになることも。そのためすべの人に当てはまる内容ではありませんが、よく耳にするご意見としては以下のような点が挙げられます。

精米するメリット

  • 小石や籾がら、割れたお米などが混ざっている場合は取り除ける
  • 独特のニオイや食感のある糠を取り除いて、食べやすい味のお米にできる
  • 消化に時間のかかる糠を取り除いて、おなかに負担の少ないお米にできる
  • 分づき米にする場合、自分好みの量だけ糠を残すことができ、健康感と美味しさを両立できる

精米するデメリット

  • 栄養豊富な糠がなくなってしまう(減ってしまう)
  • お米の保存期間が短くなってしまう
  • 精米に手間がかかる
  • お米の量が減ってしまう

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玄米は精米しなくても食べられる?

玄米は精米しなくても食べられるのでしょうか。

結論だけを言えば、精米しなくても玄米は食べられます。ただし、少しだけ注意点があるのも事実。詳しく確認していきましょう。

玄米には2種類ある

玄米には、玄米のまま食べることを前提に販売されているものと、あとで精米することを前提に販売されているものの2種類があります。

玄米のまま食べることを前提にしたものは「精選玄米」と呼ばれ、次で解説するように安心して食べられる玄米です。

精選玄米はそのまま食べても安心

精選玄米の「精選」とは、細かく注意しながら良いものを選び抜くこと。つまり、小石や籾がらなどの混入物や、色の悪い米粒、サイズが違いすぎたり割れたりしている米粒を取り除いたものが精選玄米です。

購入時に精選玄米を選べば、私たちが中身に特に注意を払わなくても、玄米として不安なく食べることができます。

スーパーなどで手に入る玄米は、大半がこの精選玄米。そのため、普段の買い物の中ではそこまで不安になる必要はありません。

もしも精選してあるかどうかが不安な場合は、販売店の方に確認するようにしましょう。

精選前の玄米は精米してから食べよう

精選がされていない玄米は、購入後に精米することによって不要なものが取り除かれることを想定しています。そのため、場合によっては食べられないものが混入していることも。

この玄米を精米なしで食べる場合には、炊飯前に自分で混入物を取り除く必要があります。作業面の負担も大きいうえ、混入物の取り残しも気になるところ。無理に玄米のまま食べようとはせず、精米することをおすすめします。

もちろん、精米すれば安心・安全なお米として食べることができますし、販売元で混入物を取り除く手間がかかっていないぶん、お値段が安くなっていることもあります。目的に応じて上手に活用するのがいいでしょう。

玄米を精米する方法

購入した玄米を精米する場合、以下2つの手段があります。それぞれ精米方法を確認していきましょう。

  • お店で精米してもらう
  • 自分で精米する

お店で精米してもらう

お店で精米をしてもらうのが一つ目の手段です。

専門店で玄米を購入した場合、そのお店ですぐに精米してくれることも多く、好みの精米歩合で対応してくれます。精米の知識が無くても、店員さんとコミュニケーションをとりながら精米歩合を決められるのも安心できるポイントです。

専門店の中には、他店で購入した玄米を持ち込んでも精米してくれるところがあるようです。すべての店舗が対応してくれるわけではないので、事前に確認してから持ち込むようにしましょう。

自分で精米する

自分で精米するのが二つ目の手段です。その方法は以下の3つ。自分にとって負担のない方法で実施するのがいいでしょう。

  1. コイン精米機で精米する
  2. 家庭用精米機で精米する
  3. フードプロセッサーで精米する

1.コイン精米機で精米する

街かどや販売店の駐車場などに設置されているコイン精米機を使う方法があります。

玄米を白米にするのはもちろん、七分づき、五分づき、三分づきなどの分つき米にすることも可能。白米以上に表面を削る「上白米」や「無洗米」の仕上げを選択できる機種もあり、多用途に対応しています。

お住まいの地域によってはコイン精米機がないこともあります。もし身近にあるという方は、一度試してみるのもいいのではないでしょうか。

2.家庭用精米機で精米する

家庭用精米機を購入して精米する方法もあります。「少量ずつ頻繁に精米を行いたい」という方にぴったりの選択肢です。

わざわざ精米のために外出する必要がなく、好きな時に好きな量を精米することができます。

精米歩合を細かく設定できるほか、胚芽だけを残した「胚芽米」を作れる機種も。こだわりのある方は、自分好みの機能が付いている機種を探してみてくださいね。

精米する際の音がすこし大きいという声も聞こえてきますので、大きな音が苦手な方や、お子様などのために静かな環境を保ちたいという方は、事前にメーカーに音の大きさを問い合わせるのもいいでしょう。

3.フードプロセッサーで精米する

頻繁に精米はしないけれど、家庭での精米を一度試してみたい。そんなときは、お手持ちのフードプロセッサーを精米機の代用として使うこともできます。精米機のように細かな設定はできませんが、目で見ながら加減を調整できるのがいいところ。手順は以下の通りです。

  1. 1~2合の玄米をフードプロセッサーに入れます。あまり多いと玄米が十分に動かず、玄米を傷つける原因になるため注意してください。
  2. 一番弱いモードで1~2分ほど運転させます。精米が足りないようであれば、様子を見ながら30秒~1分ずつ追加で運転してください。
  3. 精米した玄米をザルに取り出し、優しく振って糠を振り落とします。
  4. 保存容器に移したら完了です。

あまり長時間の運転をすると、表面が削られすぎてお米が小さくなってしまったり、割れてしまったりすることがあります。短い時間から徐々に延ばしていくのがポイントです。

玄米を精米すると重さはどれくらい減る?

精米は玄米に付いている糠を削り取る作業。そのため、精米後の重量は元の玄米に比べて少なくなります。いったいどれくらい減るのか、気になる方もいるかもしれませんね。白米にする場合と、分づき米にする場合を比較してみましょう。

白米にするなら1~2割減

玄米を白米にする場合、元の玄米の重量から10~20%ほど減少します。10kgの玄米を白米にする場合、8~9kgになる計算ですね。

お米の種類や水分保有量によっても変わってくるため、ぴったり10%減る・20%減るなどとは断定できないところがありますが、目安として覚えておくといいでしょう。

分づき米は精米歩合によって異なる

玄米を分づき米にする場合、精米歩合によってどのくらい減るのか変わってきます。

七分づきの場合は元の玄米の7%ほど減る、という検証事例があるものの、精米機の機種やお米の種類によっても差が大きく、一律の減少量を出すことはできませんでした。

精米歩合を上げるほど糠が削り取られていきますので、そのぶん減る量が多くなることは確か。精米によって量が減ることに抵抗がある場合は、精米歩合を低くする(3割や5割にとどめる)のがいいかもしれません。

精米前・精米後の玄米の保存期間

一見、長期間の保存ができそうに見える玄米。いったいどれくらい保存できるものなのでしょうか。

食べることだけが目的であれば、5年以上の保存も可能ではあります。ただし、その玄米が美味しいかと問われれば別の話。

ここでは、精米前・精米後の玄米を美味しく食べられる期間について考えていきたいと思います。

精米前なら保存状態によって1ヶ月~2年ほど

精米前の玄米は、1ヶ月~2年ほど美味しさを保つことができます。期間に開きがあると感じるかもしれませんが、その理由は保存方法によって状態が大きく異なるためです。

購入したときの米袋のまま常温で保管する場合は、袋に開いた通気口によって空気に触れる時間が長くなるため、1ヶ月程度で風味が劣化していきます。

真空パックで保存し、かつ冷蔵保存する場合は、2年ほど美味しさが保たれるといわれています。

長期間保存する必要があるときは、空気に触れないよう密閉容器や真空パックの状態にし、冷蔵で保存をしましょう。保存場所は冷蔵庫の野菜室の中がおすすめです。

精米後は1ヶ月で食べきろう

精米後は1ヶ月程度で食べきるのがおすすめ。精米後のお米は白米の部分(胚乳)がむき出しになり、酸化や乾燥が急激に進んでいくためです。

糠で覆われている玄米は比較的劣化が遅いため、一度にたくさん玄米を買った場合は、1ヶ月で食べきれる量ずつ精米し、残りは玄米のまま残しておくのがいいでしょう。

【関連記事】
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まとめ

精米とは、玄米の表面についている糠を削り取ることです。10割すべてを削り取れば白米にでき、7割・5割・3割などにとどめれば、糠の栄養を残した分づき米にすることもできます。

玄米を購入した専門店の他にも、街かどのコイン精米機や家庭用精米機、フードプロセッサーを使った精米もできるため、ご自身にとって使い勝手のいいもので試してみてください。

好みや目的に応じて精米歩合に変化をつけ、それぞれの美味しさを味わってみてはいかがでしょうか。

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