お米は何種類ある?美味しいブランドや好みの銘柄の選び方

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スーパーの棚一面に並ぶお米。いろいろな種類があって、「どんな味がするのだろう」と選ぶのが楽しい反面、「選び方が分からない」「味の特徴が分からない」という不安を感じることはありませんか。

この記事では、以下のようなお声にお応えします。ぜひ最後までご覧ください。

  • お米は何種類あるのか知りたい
  • お米にどんな品種・銘柄があるか知りたい
  • 美味しいお米の選び方を知りたい

日本のお米は何種類ある?

令和5年度時点で、日本のお米は全部で1,295銘柄(519品種)も存在します。そのうち、うるち米が928銘柄(318品種)、もち米が137銘柄(76品種)、酒米が230銘柄(125品種)です。

【令和5年産農産物の産地品種銘柄設定等の状況】

銘柄数品種数
うるち米928318
もち米13776
酒米(醸造用の米)230125
合計1,295519

参考:農林水産省|農産物検査を行う産地品種銘柄の取扱い

うるち米(うるちまい)とは

「うるち米(うるちまい)」とは、私たちが一般的に主食として食べるお米のことです。

主な特徴は見た目とデンプンの種類。精米したうるち米は乳白色で半透明の見た目でをしています。お米にはアミロースとアミロペクチンというデンプンが含まれており、うるち米の場合はアミロースが約80%、アミロペクチンが約20%です。

もち米(もちまい)とは

「もち米(もちまい)」とは、お餅やおこわを作るのに使われるお米です。

見た目は乳白色で透明感がなく、うるち米と比較すると違いは一目瞭然。含まれるデンプンはほぼ100%がアミロペクチンであることも特徴です。アミロペクチンは粘り気が非常に強い性質があるので、お餅やおこわのもちもちとした食感が生まれます。

酒米(さかまい)とは

「酒米(さかまい)」とは、日本酒を造るときに使われるお米のことです。

うるち米やもち米に比べて米粒が大きく、周囲は半透明で中心部は白っぽい色。この白っぽい部分は「心白(しんぱく)」と呼ばれ、日本酒造りに欠かせない米麹が育ちやすい性質を持っています。

お米の種類を分ける言葉

お米が全部で1,295銘柄も存在することは先ほどご説明したとおりですが、品種数でいえば519品種です。この「銘柄」と「品種」は何が違うのでしょうか。

また、お米の種類を分けるときには「ブランド」という言葉を使うこともあるため、お米を選ぶ際に混乱してしまうかもしれませんね。「銘柄」・「品種」・「ブランド」の言葉の違いを確認していきましょう。

お米の「品種」とは

「品種」とは、植物としての種類を指す言葉です。お米の代表的な品種には「コシヒカリ」や「ササニシキ」、「あきたこまち」などがありますが、これらは植物として別のものということ。お米を購入するときに袋の表示をよく見てみると「品種」という欄があり、該当の品種名が明記してありますよ。

お米の「銘柄」とは

「銘柄」には複数の意味が混在していますが、一般的なイメージに近いのが「産地品種銘柄」という概念。産地と品種を並べて表したもので、「新潟県産コシヒカリ」や「秋田県産あきたこまち」といったものが産地品種銘柄にあたります。

農林水産省によって、〇〇産と表示できる品種が都道府県ごとに指定されているのがポイントです。

例えば「にこまる」という品種のお米について、石川県は指定されているため「石川県産にこまる」と表示して販売できます。ところが新潟県は指定されていないため、本当に新潟県で生産されていたとしても「新潟県産にこまる」とは表示できないのです。

また、「石川県産にこまる」等の産地品種銘柄が販売時に大きく表示されることから、「銘柄=商品名」と捉えられていることもあります。

お米の「ブランド」とは

「ブランド米」などと呼ばれるようなお米の「ブランド」には、明確な定義が存在しません。あいまいな認識のまま使われることも多い表現ですが、使われ方には大きく2つのパターンがあります。

一つ目は、認知度の高い品種や銘柄を「ブランド米」と呼ぶパターン。「コシヒカリ」という品種や、「新潟県産コシヒカリ」という産地品種銘柄などをブランド米と呼ぶ場合があります。

二つ目は、単一の銘柄のお米(単一原料米)を「ブランド米」と呼ぶパターン。これは、複数の産地・品種・産年のお米を混合して販売される「複数原料米(ブレンド米)」と対比させて使われることが多いようです。

お米の美味しさはこうやって評価される!

せっかく買ったり食べたりするのであれば、美味しいお米を選びたいですよね。ただし、900銘柄以上もあるお米の中から自分で美味しいものを見つけ出すのは至難の業。そこで参考にできそうなのが、以下の2種類のお米の評価です。

  • 米の食味ランキング
  • お米日本一コンテストinしずおか

これらの評価が高いからといって、必ずしも個人の好みに合うとは限りませんが、お米選びのヒントの1つとして確認にしてみてはいかがでしょうか。

米の食味ランキング

「米の食味ランキング」とは、一般般財団法人「日本穀物検定協会」が主催するランキングです。専門の食味評価エキスパート20名が炊飯した白米を実食し、「外観」「香り」「味」「粘り」「硬さ」の5つの基準で評価を決定しています。

具体的な試験方法は以下の通りです。

食味試験のランクは、複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米とし、これと試験対象産地品種を比較しておおむね同等のものを「A’」、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価を行い、この結果を毎年食味ランキングとして取りまとめ、発表しています。

出典:一般般財団法人日本穀物検定協会|米の食味試験

お米日本一コンテストinしずおか

「お米日本一コンテストinしずおか」とは、静岡県が主催するお米に特化したコンテストで、2004年から開催されています。

審査は「機器審査」と「最終審査(1回戦・2回戦)」の3回に分けて行われます。

「機器審査」では、株式会社サタケ・静岡製機株式会社・東洋ライス株式会社が所有する食味評価機器を使ってエントリーされたお米を評価し、3社の機器がはじき出した偏差値を平均して、上位75点のお米を選出します。

「最終審査(1回戦)」では、12人の審査員による食味官能審査によって、75点から30点にまで絞りこみます。「最終審査(2回戦)」では、勝ち残った30点をトーナメント方式で審査し、「金賞」「最高金賞」「特別最高金賞」「静岡県知事賞」を決定します。

参考:静岡県|第19回お米日本一コンテストinしずおか

日本の代表的なお米

数多くあるお米の品種・銘柄のうち、誰もが聞いたことのあるような有名どころから、近年新しく登録された銘柄まで、代表的なものをいくつかご紹介します。

王道の10品種

令和3年産のうるち米(醸造用米、もち米を除く)のうち、 作付割合の上位10品種がこちらです。作付量が多ければ多いほど、その品種の人気や認知度が高いということ。王道とも呼べる10品種は以下のとおりです。

順位
品種作付割合(%)
1コシヒカリ33.4
2ひとめぼれ8.7
3ヒノヒカリ8.4
4あきたこまち6.8
5ななつぼし3.3
6はえぬき2.8
7まっしぐら2.5
8キヌヒカリ1.9
9きぬむすめ1.7
10ゆめぴりか1.7

参考:公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構|令和3年産 水稲の品種別作付動向について

新しく登録された品種

お米の品種は年々増加し、目を引く名前が話題になる品種も存在します。ここでは、2018~2021年に登場した新しい品種を5つご紹介します。

2018年「だて正夢」

2018年に宮城県で登場した「だて正夢」は、かつて同じ宮城県で登場して一世を風靡した「ひとめぼれ」を超えようという意気込みで開発されました。とても柔らかいのが特徴で、もちもちとした食感が冷めても持続します。

2018年「富富富(ふふふ)」

2018年に富山県で登場したのが「富富富(ふふふ)」。炊き上がりの甘い香りが食欲をそそり、口に含めばもっちりと噛み応えのある食感とバランスのいい味わいが料理人の間で評価を獲得しています。

2019年「星空舞」

2019年に鳥取県で登場した「星空舞」は、美味しさと育てやすさを両立するために開発に30年もの歳月をかけて作られました。炊き上がりのツヤが美しく、旨味と甘味が好バランスでのど越しがいいのが特徴です。

2020年「粒すけ」

2020年に千葉県で登場したのが「粒すけ」です。大粒でもっちりとした食感が特徴で、どんなおかずとも相性がいい味わい。生産後の食味試験では、機械による分析に加えて人の舌で最終判断をするというこだわりようです。

2021年「福、笑い」

2021年に福島県で登場した「福、笑い」は、選ばれた生産者のみが栽培を許されるというこだわりと、厳しい品質基準で徹底管理されたお米。強い旨味と甘味が特徴で冷めても硬くならないため、おにぎりやお弁当にもおすすめです。

美味しいお米の選び方

美味しいお米を選ぶなら、先ほどご紹介した「米の食味ランキング」や「お米日本一コンテストinしずおか」などの評価結果を参考にするのもいいですが、自分の好みやこだわりも大切にしたいですよね。以下の3つの視点から、美味しいお米の選び方をチェックしていきましょう。

  1. 料理に合う品種で選ぶ
  2. 生産地で選ぶ
  3. お米の状態で選ぶ

1.料理に合う品種で選ぶ

美味しいお米を選ぶための一つ目の視点は、一緒に食べる料理やおかずに合う品種から選ぶというもの。

品種ごとに味や食感の特徴が異なり、味が「甘い」か「あっさり」か、食感が「もちもち」か「しっかり」かのチャートで説明されることもあります。

一部をピックアップしてご紹介するとともに、相性のいい料理もあわせて確認しておきましょう。

食感
しっかりもちもち
甘い・雪若丸
・いちほまれ
・星空舞
・さがびより
・青天の霹靂
・富富富
・ひとめぼれ
・はえぬき
・あきほなみ
・コシヒカリ
・新之助
・つや姫
・ゆめぴりか
・ミルキークイーン
・ヒノヒカリ
・ふっくりんこ
・だて正夢
・キヌヒカリ
あっさり・ななつぼし
・あきたこまち
・ササニシキ
・こいしぶき
・つがるロマン
・ハツシモ
・まっしぐら
・ふさこがね
・まいひかり
・森のくまさん
・あきろまん
・おいでまい
・愛ひとつぶ
・きぬむすめ
・銀河のしずく
・みずかがみ
・あきさかり
・夢つくし

お肉料理と食べるなら

お肉料理には、甘くて食感がもちもちしたお米がベストマッチ。上の例では以下のような品種です。

  • コシヒカリ
  • 新之助
  • つや姫
  • ゆめぴりか
  • ミルキークイーン
  • ヒノヒカリ
  • ふっくりんこ
  • だて正夢
  • キヌヒカリ

魚料理と食べるなら

魚料理には、あっさりした味わいで食感がもちもちしたお米が好相性バツグン。上の例では以下のような品種です。

  • 森のくまさん
  • あきろまん
  • おいでまい
  • 愛ひとつぶ
  • きぬむすめ
  • 銀河のしずく
  • みずかがみ
  • あきさかり
  • 夢つくし

丼やカレーとして食べるなら

丼やカレーとして食べるなら、あっさりした味わいで、しっかりした食感のお米が食感がとてもよく合います。上の例では以下のような品種です。

  • ななつぼし
  • あきたこまち
  • ササニシキ
  • こいしぶき
  • つがるロマン
  • ハツシモ
  • まっしぐら
  • ふさこがね
  • まいひかり

どんな料理にも合うものなら

どんな料理にも合うお米を探したいときは、甘くて食感がしっかりしたものを選ぶといいでしょう。上の例では以下のような品種です。

  • 雪若丸
  • いちほまれ
  • 星空舞
  • さがびより
  • 青天の霹靂
  • 富富富
  • ひとめぼれ
  • はえぬき
  • あきほなみ

2.生産地で選ぶ

美味しいお米を選ぶための二つ目の視点は生産地。「米どころ」といわれる生産地を選ぶのもいいですし、ご自身にゆかりのある都道府県で作られたお米を選んで、ふるさとを応援するのもいいでしょう。

同じ品種でも、産地によって味わいが少しずつ異なる場合もあります。食べ比べてお好みの産地を見つけるのも楽しいですよ。

3.お米の状態で選ぶ

美味しいお米を選ぶための三つ目の視点は、お米そのものの状態です。どんなにこだわりの品種や生産地を選んでも、お米が古くなっていたり、保存状態が悪かったりすれば、味が落ちてしまいます。

購入するときはなるべく精米年月日(旬)・調製年月日(旬)が新しいものを選び、新鮮なものを入手しましょう。ご自宅に帰ったら、高温多湿を避けて適切な方法で保存してくださいね。

\お米の保存方法については以下の記事がおすすめです!/
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まとめ

日本のお米は全部で1,295銘柄(519品種)も存在し、普段の食事で食べる「うるち米」は928銘柄(318品種)にものぼります。

こんなにもたくさんの銘柄・品種があっては、自分に合うお米を探すのは大変。そこで、「米の食味ランキング」や「お米日本一コンテストinしずおか」などのお米の評価結果を参考にしたり、お好みの味や食感、よく食べる料理から、それに合う品種を探したりするのがおすすめです。

その他にも、ご自身が応援したい都道府県で生産されたお米を選んだり、品種や産地に囚われずに鮮度の高いお米を選んだりと、チョイスする視点は実にさまざま。

いろいろなお米にチャレンジして、ぜひお好みに合う種類を見つけてみてくださいね。

 

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