玄米の賞味期限は?美味しさを維持するための保存方法

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玄米を毎日召し上がるご家庭では、多めに購入してストックしていることが多いでしょう。あるいはたくさんの玄米を譲り受け、しばらく保存しておきたい場合もあるかもしれませんね。

手元にある玄米がいつまで食べられるのか分からずに、不安になることはありませんか。この記事では以下のような悩みにお応えします。ぜひ最後までご覧ください。

  • 玄米の賞味期限がいつまでか分からない
  • おいしい玄米の見分け方が分からない
  • 玄米の正しい保存方法が分からない

玄米には賞味期限の記載がない

玄米や白米などのお米には、賞味期限や消費期限が表示されていないことが大半です。なぜなら、お米は加工前の野菜や魚と同じ「生鮮食品」に分類される食品だから。食品表示法において、生鮮食品の大部分には賞味期限や消費期限の表示義務がないのです。

ただし、消費者がそのお米の鮮度を判断できるよう、玄米には「調製年月日(調製時期)」が、精米には「精米年月日(精米時期)」が表示されています。

  • 調製年月日(調製時期)とは…籾(もみ)から籾殻を除いて玄米の状態にした時期のこと
  • 精米年月日(精米時期)とは…玄米の糠を取る精米作業をした時期のこと

玄米と白米では賞味期限は違う?

お米は調製・精米から5年以上経っても食べられると言われています。ただし、それは味や食感を気にしない場合の話。お米も生鮮食品である以上、時間が経つごとに劣化して、味も食感もどんどん落ちていきます。

玄米と白米では、美味しく食べられる期間、いわば賞味期限に違いはあるのでしょうか。

同じ保存方法をした場合、玄米の方が白米よりも1年ほど長くおいしさが保たれるといわれています。それは玄米に付いている糠(ぬか)が、内部の白米の部分を酸化や乾燥から守ってくれているためです。

玄米の賞味期限はいつまで?

玄米に賞味期限や消費期限が表示されていないといっても、いつまでに食べきったらいいのか分からないと不安ですよね。玄米を美味しく食べられる期間を「開封前」と「開封後」に分けて確認していきましょう。

開封前の玄米の賞味期限

開封前の玄米は、どのような袋に入っているかによって美味しく食べられる期間が異なります。袋のパターンは大きく2つ。一般的なコメ袋と真空パックです。

コメ袋の場合

一般的なコメ袋に入っている玄米は、高温多湿を避けた常温保存で1~3ヶ月ほど、冷蔵保存で1年ほどであれば美味しさが維持されます。実はこの期間、開封後の玄米となんら変わりはありません。一般的なコメ袋には破裂を防ぐための小さな穴が開いており、そこから空気が出入りして酸化や乾燥が進んでしまうのです。

真空パックの場合

真空パックに入っている玄米は、常温保存で1年ほど、冷蔵保存で2年ほど美味しく保存することが可能です。真空パックでは玄米が空気に触れる懸念がないため、酸化や乾燥といった劣化が進みにくいのがメリットといえます。

開封後の玄米の賞味期限

開封後の玄米の賞味期限は、保存環境によって大きく異なります。ここでは常温で保存する場合と冷蔵で保存する場合に分けて確認していきましょう。

常温で保存する場合

開封後の玄米を常温で保存する場合、高温多湿を避ければ1~3ヶ月程度までおいしさがキープできます。

ただし、季節による環境の変化には注意が必要。気温と湿度が上がる夏は玄米の劣化が進みやすいため、1ヶ月程度を目安に食べきるのがいいでしょう。保存環境が多少改善される冬には、3ヶ月程度で食べきるのがおすすめです。

冷蔵で保存する場合

開封後の玄米を冷蔵で保存する場合は、密閉容器に入れていれば1年ほどは美味しく食べられます。適切な温度管理と空気の遮断により、常温保存に比べて酸化や乾燥を遅らせることができるのです。

賞味期限を判断する方法

調製年月日(調製時期)を忘れてしまい、手元にある玄米をいつまでに食べきればいいのか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。

そんなとき、玄米自体から賞味期限をチェックできる方法を知っていると安心です。ここでは代表的な4つのチェック方法をご紹介します。

方法1.見た目をチェック

一つ目は、玄米の見た目をチェックする方法です。鮮度の高い玄米は1粒1粒の表面に艶があり、透明感を感じる見た目をしています。一方で劣化している玄米は表面が乾燥して色がくすみ、中にはひび割れが見られるものも。食べられないことはありませんが、味や食感が落ちている証拠です。

また、玄米の表面全体を白や緑の細かい粉が覆っている場合、カビが生えている可能性があります。全体的に粉っぽい・白っぽい・緑っぽいと感じる場合は、食べるのを中止して処分するようにしましょう。

ただし、玄米の中にはちらほらと緑色の粒が交じっていることもあります。これは葉緑素を残したまま成熟した「活青米(いきあおまい)」と呼ばれる米で、活青米が入っている玄米の方が美味しいといわれることもある貴重な存在。ぜひ一緒に食べてみてください。

方法2.ニオイをチェック

二つ目はニオイをチェックする方法です。玄米のニオイを嗅いだとき、なんとなく古臭いようなニオイがすることがあります。これは「古米臭(こまいしゅう)」と呼ばれ、糠に含まれる油分が酸化して発生するニオイ。食べられますが味は悪く、賞味期限が近付いている証です。

酸っぱいニオイやカビ臭いニオイを感じるときは、腐敗やカビの発生が進んでいる可能性がありますので処分しましょう。

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方法3.とぎ汁の色をチェック

三つ目は玄米のとぎ汁をチェックする方法です。とぎ汁は、通常であれば白く濁った色をしています。ところが、酸化が進んだ玄米では黒っぽい色のとぎ汁になることがあります。

また、カビが生えた玄米のとぎ汁は黒や緑のくすんだ色になる場合がありますので、とぎ汁の色に違和感を感じたら食べるのをやめるのが安全です。

方法4.虫をチェック

四つ目は、玄米に虫が湧いていないかをチェックする方法。保存環境が悪いお米には「コクゾウムシ」や「ノシメマダラメイガ」といった虫が湧くことがあります。

保存場所の温度が20℃を超えると虫が発生しやすくなり、23℃を超えると虫の活動が活発になるので注意が必要です。

これらの虫に気付かずに食べてしまっても健康上の問題はありませんが、決して気分のいいものではありません。多めの水の中で混ぜるようにして洗うと取り除くことができるものの、気になる場合は処分しましょう。

玄米のおすすめの保存方法

玄米はできる限り美味しい状態を保ちたいもの。玄米のおいしさを長持ちさせるおすすめの保存方法をご紹介します。

玄米のおすすめの保存場所

玄米の保管場所としておすすめなのが「冷蔵庫の野菜室の中」。これは白米を保存する場合も同様で、野菜室はお米の保存に適した環境がすべて揃っている空間です。

<玄米の保存に適した環境>

  • 15℃以下の低温
  • 湿度が高すぎず低すぎない
  • 温度変化が少ない
  • ニオイ移りの元が少ない

ただし、いくら低温がいいといっても冷凍庫での保管は絶対に避けましょう。湿度が低すぎて乾燥してしまうほか、玄米の中の水分が凍結して膨張し、割れる原因になってしまいます。

玄米のおすすめの保存容器

玄米の保存容器として必要なポイントは「密閉性」です。周囲の湿気やニオイ、虫から玄米を守るため、必ず密閉できる容器を選びましょう。ここでは代表的な3種類の容器をご紹介します。

密閉容器

もっとも用意しやすいのが密閉容器です。「米びつ」や「ライスストッカー」という名称で販売されている密閉容器はもちろん、以下の例のように蓋があって密閉できるものであれば活用できます。中を清潔にして、完全に乾燥させてから玄米を入れましょう。

  • 空のペットボトル
  • タッパー
  • 蓋つきのビン

米専用の保存パック

米専用に作られた保存パックも便利です。パックの素材が多層構造になっており、一般的なビニール袋では侵入してしまう酸素を遮断して玄米の鮮度を保ちます。パックの口のチャックを閉めれば、虫やホコリの混入を防ぐことも可能です。

プラスチックやガラスの容器と比べて軽量で、使用しないときは薄くたたんで収納することもできるのが嬉しいポイントです。

真空パック

玄米を長期間保存したい場合は、真空パックにするのがおすすめです。空気を確実に遮断できるため、劣化を大幅に遅らせることができます。

家庭でも手軽に使える真空機器が販売されているほか、特殊構造の袋と脱酸素材を使用して真空に近い状態を作れる専用袋も存在します。玄米を使い勝手のいい量に小分けしてパッキングするのがいいでしょう。

保存効果がアップ!玄米の保存容器に一緒に入れるといいもの

玄米の保存状態をよりよくするため、保存容器に一緒に入れるといいものがあります。適切な保存場所や保存容器を選んだうえでもうひと工夫することで、さらに安心できる保存環境に近づけてはいかがでしょうか。

唐辛子

玄米の保存容器に乾燥した唐辛子を入れると、虫が付きにくくなります。これは唐辛子に含まれる「テルペノイド系化合物」という香り成分による効果。玄米に発生する虫はこの香りを嫌うため、外から来る虫が寄り付かなくなるというわけです。

生の唐辛子でも同じ効果を発揮しますが、含まれる水分がカビの原因になるため、乾燥した唐辛子を使用するのがいいでしょう。

玄米の保存容器に炭を入れるのも効果的です。炭には湿度調整作用があるため、保存容器の中の余分な湿気を吸い取って安定した環境に保ってくれます。炭は脱臭作用も高く、保存容器内のニオイを吸着して、玄米にニオイが移るのを防ぐ効果も期待できます。

専用の保存グッズ

お米に虫がつくのを防いだり、湿度を調製したりするための専用グッズも販売されています。先ほどご紹介したような唐辛子や炭のパワーを利用したもので、スーパーやドラッグストアで購入することが可能です。

使い方も簡単で、購入したグッズを玄米の保存容器にそのまま入れるだけ。唐辛子や炭を用意するのが難しい場合は、こういった専用グッズの力を借りるのもいいでしょう。

玄米のNGな保存方法

玄米の保存には適さない方法を改めて整理します。もしご自宅で実践してる方法に該当するものがあればすぐに見直し、玄米の美味しさを維持できる保存方法に切りかえましょう。

  • コメ袋のままの保存はNG!
  • 一般的なチャック付きビニール袋はNG!
  • 高温多湿の場所はNG!
  • 冷凍庫はNG!
  • ニオイが強いものの近くはNG!

コメ袋のままの保存はNG!

開封前の玄米でも、コメ袋のまま保存するのはNGです。米袋には破裂防止のための小さな穴が開いており、開封後と変わりがないほど空気にさらされています。酸化や乾燥が進んで味が落ちるため、コメ袋のまま保存するのはやめましょう。

一般的なチャック付きビニール袋はNG!

玄米を一般的なチャック付きビニール袋で保存するのはNGです。特別な加工がされていない限り、薄いビニールの袋は酸素を通します。袋の口に付いたチャックを閉めて密閉できているように見えても、実は中身の酸化が進んでいる状態です。

一般的なチャック付き保存袋は避け、米専用の保存パックを使用しましょう。

高温多湿の場所はNG!

玄米を高温多湿の場所に保存するのはNGです。高温多湿では虫が発生しやすく、カビの原因にもなります。

虫は20℃以上で発生し、カビは気温が25℃度前後・湿度が80%以上で発生しやすくなります。夏のシンクの下などは容易にこの環境になるでしょう。

玄米を高温多湿の場所に保存するのは絶対に避けてください。

冷凍庫はNG!

玄米を冷凍庫で保存するのはNGです。温度が低くて一見したところはいい環境に思えるかもしれませんが、冷凍庫内は非常に乾燥しているため、玄米の劣化の原因になります。玄米に含まれる水分が凍結すれば、膨張して割れてしまうことも。冷凍庫で玄米を保存するのは避けましょう。

ニオイが強いものの近くはNG!

玄米をニオイの強いものの近くで保存するのはNGです。玄米を含め、お米にはニオイを吸収しやすい性質があります。近くに強いにおいを放つ食べ物や洗剤、芳香剤などがあれば、そのニオイを吸収して風味が悪くなり、炊きあがりの香りにも影響を及ぼします。

玄米の保存場所の近くにニオイが強いものを置かないよう注意しましょう。

炊いた玄米の保存方法

ここまでは生の玄米の保存方法を確認してきましたが、炊いて余ってしまった玄米はどのように保存すればいいのでしょうか。

基本的には冷凍保存がおすすめです。以下の手順で冷凍し、食べるときにレンジで温めれば、ふっくらと美味しい状態を保つことができます。風味や品質は日に日に失われるため、冷凍してから2~3日以内に食べきるようにしましょう。

  1. 玄米は温かい状態で保存の準備をします。
  2. 一膳分の量をラップにとり、なるべく薄く平らな状態でふんわり包みます。
  3. 粗熱をとります。
  4. 冷凍庫内のニオイが移らないよう、ラップで包んだ玄米を密封できる容器や袋に入れます。
  5. アルミトレーなど冷えやすいものの上に置き、そのまま冷凍します。

まとめ

いつまでも食べられるように見える玄米も、保存方法によっては味が落ち、ときには処分せざるを得ないほど劣化が進んでしまうことがあります。

保存場所や保存容器をしっかり選べば玄米はぐっと長持ちし、最後まで美味しく食べきることができますよ。

この記事でご紹介した保存方法を参考に、いつでも美味しい玄米が食べられる環境を整えてみてくださいね。

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