玄米の臭いはなぜ独特?解消する方法5選も紹介

玄米ブログ

白米と比較して非常に栄養価が高い玄米。ご自身やご家族の健康のため、玄米を積極的に取り入れたいと考えている方も多いでしょう。しかし、玄米特有のニオイが気になって、毎回の食事で食べるのが億劫になっているという声も聞こえてきます。

この記事では、以下のようなお悩みの解決方法をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

  • 玄米を炊く前のニオイを消したい
  • 炊きあがった玄米のニオイを消したい
  • 玄米自体のニオイが気になる

玄米は臭いって本当?

糠(ぬか)が付いたままの玄米には独特のニオイがあり、扱い方によってはニオイが増幅してしまうことがあるのも事実。ですが心配はいりません。ほんの少しの工夫をするだけで、驚くほどおいしく食べられるようになりますよ。

玄米はどんなニオイ?

ひとくちに「玄米のニオイ」といっても、状況やタイミングによって様々な印象をもたれることがあります。代表的な4種類のニオイをご紹介しながら、いつ・どんなタイミングでそのニオイを感じるのかを整理しましょう。

カビ臭いニオイ

一つ目は「カビ臭いニオイ」。人によっては「墨汁のようなニオイ」、「土や泥のようなニオイ」と表現することもあるニオイです。炊く前の生の玄米を保存容器から取り出したり、洗うためにボウルに移したりする瞬間に、このようなニオイがふわっと漂ってくることがあります。

酸っぱいニオイ

二つ目は「酸っぱいニオイ」です。鼻にツンと刺激を感じるニオイで、生の玄米から感じるケース、玄米を浸水して数時間後に感じるケース、炊きあがった玄米から感じるケースがあるといいます。玄米を扱うどのタイミングでも感じる可能性があるニオイです。

アンモニアのようなニオイ

三つ目は「アンモニアのようなニオイ」です。生の玄米から感じるケース、玄米を浸水して数時間後に感じるケース、炊きあがった玄米から感じるケースがあります。「浸水の途中で蓋を空けたら、あまりのアンモニア臭の強さに驚いた」という声も聞かれるほど、強烈なニオイを発することもあるようです。

藁(わら)のようなニオイ

四つ目は「藁のようなニオイ」です。生の玄米から感じるケース、玄米を浸水して数時間後に感じるケース、炊きあがった玄米から感じるケースがあります。食べられないほどではないものの、このニオイが苦手で玄米に手が伸びない、家族から不評で食べてもらえない、とお悩みの方も多くいらっしゃいます。

玄米のニオイのもとは?

このような玄米のニオイはどこから来るのでしょうか。そのヒントは玄米の構造にありました。

玄米の中心は「胚乳」と呼ばれる白い塊(いわゆる白米の部分)。その外側を「糊粉層」・「種皮」・「果皮」・「ロウ層」が順に覆い、一部に「胚芽」が付着しています。

「糊粉層」・「種皮」・「果皮」・「ロウ層」・「胚芽」をまとめて「糠(ぬか)」と呼び、実はこの糠こそが玄米のニオイの発生源です。

糠はもともと藁のような香りのするもの。加えて、糠の状態が悪くなったり、糠に含まれる乳酸菌や脂肪酸がとある条件で繁殖したり酸化したりすることで、独特のニオイが発生します。

玄米はなぜ臭い?その原因は5点!

玄米から発生するニオイには、以下の5点の原因が考えられます。まずは原因を理解することで、のちほど解説するニオイの消し方でも適切なものが選べるようになります。

  • 原因1.玄米の鮮度が低い・腐っている
  • 原因2.玄米の洗浄が不十分
  • 原因3.玄米を浸水する水の取り換えが不十分
  • 原因4.玄米の炊き方が惜しい
  • 原因5.玄米自体のニオイが苦手

原因1.玄米の鮮度が低い・腐っている

玄米の鮮度が低い、もしくは腐っていることが原因で、以下のニオイの原因になります。

  • カビ臭いニオイ
  • 酸っぱいニオイ
  • アンモニアのようなニオイ

玄米は生鮮食品。時間の経過とともに鮮度が落ち、味や品質が劣化していきます。糠に含まれる脂肪酸が空気に触れるほどに酸化して風味が落ちるほか、湿度が高くなってカビが発生すれば、もう食品としての価値はありません。こうなるとカビのニオイがしたり、腐敗にともなう酸っぱいニオイやアンモニア臭も気になるようになります。

原因2.玄米の洗浄が不十分

玄米の洗浄が不十分だと、以下のニオイの原因になります。

  • 酸っぱいニオイ
  • 藁のようなニオイ

玄米の洗浄が不十分のまま浸水することで、糠に含まれる乳酸菌が水の中で過剰に増殖して、酸っぱいニオイを放っている状態です。また、糠が持つ藁のようなニオイもほぼ落ちないまま浸水・炊飯することになり、ニオイが充満する原因になります。

原因3.玄米を浸水する水の取り換えが不十分

玄米を浸水する水の取り換えが不十分だと、以下のニオイの原因になります。

  • 酸っぱいニオイ
  • 藁のようなニオイ

玄米を十分に洗浄した場合でも、乳酸菌や藁のようなニオイが完全に落ちるわけではありません。浸水によって少なからず乳酸菌が増殖したり、藁のニオイが水に移ったりします。雑菌の繁殖も懸念されますので、こまめな水の取り換えは絶対に必要です。

原因4.玄米の炊き方が惜しい

玄米の炊き方に惜しいポイントがある場合、以下のニオイの原因になります。

  • 酸っぱいニオイ
  • 藁のようなニオイ

これは先ほど解説した「玄米の洗浄が不十分」、「玄米を浸水する水の取り換えが不十分」の場合にも通じる点。玄米を炊く直前の水の取り換えを失念してしまうと、炊きあがった玄米にニオイが残ってしまう可能性があります。

また、炊飯時に常温の水を使用してしまうのも惜しいポイントです。玄米の甘みが十分に引き出されずに、もともとの藁のようなニオイが際立ってしまうことがあります。

原因5.玄米自体のニオイが苦手

玄米自体のニオイが嫌いでまったく受け付けられない、という心理状態も、玄米を臭いと感じる原因になります。玄米は白米よりも栄養価の高い食品ですが、食事がおいしく感じられないのであれば本末転倒です。玄米食を中止するか、ニオイが少ないタイプの玄米を使用する必要があります。

玄米のニオイを消すには?対応方法5選

玄米のニオイの原因が整理できたところで、いよいよニオイを消す方法を5つ解説していきます。ご自身のお悩みの原因に対応した方法を試すことでニオイが消え、玄米がぐんとおいしく仕上がるようになりますよ。

  • 方法1.玄米の保存方法を見直す
  • 方法2.玄米の洗い方を見直す
  • 方法3.玄米の浸水を見直す
  • 方法4.玄米の炊飯方法にひと手間加える
  • 方法5.玄米の精米歩合(ぶあい)を見直す

方法1.玄米の保存方法を見直す

玄米のニオイを消す一つ目の方法は、玄米の保存方法を見直すことです。玄米の鮮度が低い・腐っていることがニオイの原因になる場合があるため、玄米の鮮度を高く保つ保存方法を取り入れましょう。「保存容器」・「保存場所」・「いつまで食べられるか」の3つの観点で解説していきます。

保存容器はどんなものがいい?

玄米の保存には、なるべく空気に触れないように密閉できる容器を使用しましょう。空気に触れることで酸化して風味が落ちるほか、周囲の湿度が高ければカビが生えやすくなります。

もっとも身近な容器はペットボトル。あるいは100円ショップなどでも買える、プラスチック製のタッパーでもいいでしょう。そのほか、ガラス製・ホーロー製などの容器で、密閉する蓋が付いているタイプも使用可能です。しっかり蓋を閉めれば空気が遮断され、必要以上に空気にさらされることがなくなります。

玄米を買ったときの米袋のまま保存するのはおすすめできません。米袋には細かい穴が開いており、空気を遮断することができないためです。

保存する場所はどこがいい?

玄米を保存するには、温度が15℃以下で、温度変化の少ない冷暗所が適しています。一般的なご家庭であれば、冷蔵庫の野菜室の中が最適です。

15℃以上になると玄米の呼吸が活発になって風味が落ち、虫がつく懸念もあります。いくら低い温度がいいからといっても冷凍庫は避けましょう。湿度が低すぎて玄米が乾燥し、劣化が進んでしまいます。

保管場所としてよく選ばれる流し台の下は、湿度が高すぎでカビの発生が心配です。しっかり密閉できる容器に入れて、野菜室で保管しましょう。

玄米はいつまで食べられる?

野菜室のような冷暗所で正しく玄米を保管していれば、購入から半年ほどは品質を保つことができます。真空状態でパッキングされている玄米の場合、1年ほどであればおいしく食べることが可能です。

それ以上に時間が経った玄米も食べられますが、劣化が進んで味が落ちているほか、乾燥によって炊きあがりにパサつきが出ることがあります。

玄米は生鮮食品である以上、時間の経過とともに劣化していきます。適切な保存方法を実践の上、半年をめどに食べきるように心がけましょう。

方法2.玄米の洗い方を見直す

玄米のニオイを消す二つ目の方法は、洗い方を見直すことです。洗い残しのないようにしっかり洗浄することで、そのあとのニオイが劇的に減少します。ここではより効果を高めるため、ボウルとザルを重ねたところに玄米を入れて洗う方法を解説していきます。

最初の水はすぐ捨てる

洗浄のために最初に投入する水は、玄米の表面のホコリを落とす程度にさっと混ぜたらすぐ捨てましょう。なぜなら、玄米は最初に触れる水をもっともよく吸収するからです。玄米は乾燥した状態で流通しています。そこに水が入れば、水に溶け込んだ汚れやニオイとともに一気に吸い込んでしまうのです。

玄米の表面をこそぎ落とすように洗う

最初に投入した水を捨てたら、玄米の表面についた糠をこそぎ落とすようなイメージで洗っていきます。玄米同士をこすり合わせて洗ったり、玄米をザルに押し付けながら洗ったりしてもいいでしょう。すすぐための水を投入したら、全体をさっと混ぜて水はすぐに捨ててください。このようにして、洗う・すすぐ・水を捨てるという工程を3回ほど繰り返します。

乱暴に感じるかもしれませんが、こすり洗いをすることで表面の糠が適度に落ち、藁のようなニオイが軽減します。過剰な乳酸菌や表面の雑菌なども落ちるため、浸水したときのニオイを抑える面で効果的です。

さらに二次的な効果として、ふっくらとした食感に炊きあがることも期待できます。表面に多少の傷がつくことで、浸水の際に水を吸いやすくなるためです。

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方法3.玄米の浸水方法を見直す

玄米のニオイを消す三つ目の方法は、玄米の浸水方法を見直すことです。大きなポイントは、ニオイのついた水を玄米に吸わせないようにする点と、過剰な乳酸菌や雑菌の繁殖を抑える点。順に確認していきましょう。

水をこまめに換え、冷たい温度を保つ

浸水するときの水はこまめに取り換えましょう。3~4時間に1回ほど交換するのが理想的です。

玄米は白米に比べて水を吸いにくいため、夏場で3時間以上、冬場で6時間以上の浸水が必要になります。長時間浸水をしていれば水の中にニオイが蓄積していきますから、その臭い水を吸い込んでいる玄米も臭くなってしまうのです。3~4時間に1回を目安に交換し、玄米が吸収する水は常に新鮮に保ちましょう。

また、浸水時の温度が高いと乳酸菌や雑菌が繁殖しやすくなりますので、冷たい状態に保つことも大切です。取り換える水は冷水を使用し、室温が高い季節には冷蔵庫の中で浸水するといいでしょう。

発芽玄米を作るときの浸水にも注意!

自宅で発芽玄米を作るときの浸水にも、水の鮮度と温度に注意が必要です。

発芽玄米を作るためには、夏場は36時間程度、冬場は44~48時間ほどの浸水を行います。玄米を炊飯するための浸水に比べ、水に浸す時間は12倍以上。より長く水に浸けるのですから、ニオイを発生させないためにはいっそう丁寧な管理が求められます。

玄米が発芽する際、呼吸が活発になってガスが発生し、水の表面が泡立ちます。このガスも独特のニオイの一因。定期的に水を取り換え、玄米にはニオイのない水を吸わせてあげましょう。

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酢を入れる

浸水の際に酢を入れる方法もニオイの削減に効果的です。浸水時に臭くなるのは、水の中で乳酸菌や雑菌が繁殖することが要因の1つ。菌の繁殖を抑えることができれば、気になるニオイも大幅に削減できます。

お酢には菌の増殖を抑制する「酢酸(さくさん)」という成分が多く含まれているため、酢酸が浸水の水に加わることで、菌が繁殖しにくい環境を作ってくれるのです。

方法4.玄米の炊飯方法にひと手間加える

玄米のニオイを消す四つ目の方法は、炊飯方法にひと手間を加えることです。ほんの些細な工夫で炊きあがりのニオイが消え、加えて旨味がアップするという嬉しいおまけつき。試してみる価値は十分にあります。

新しい冷水で炊く

炊飯時の水は、浸水時に使用していた水をそのまま使うのではなく、新しい水に取り換えてください。水はできる限り冷たい水を使用します。

その理由は2つ。1つは炊飯中に玄米が吸収する水をニオイのないものにすることで、炊きあがりの気になるニオイが抑えられるため。もう1つは、炊飯時に冷水を使うことで、沸騰までの時間が長くなるためです。

加熱開始から沸騰までの間に玄米の甘みが引き出されるので、沸騰までの時間が長ければ長いほど甘みが強くなり、相対的にニオイの気にならない玄米に炊きあがります。

ひとつまみの塩を入れる

炊飯時にひとつまみの塩を入れることで、炊きあがりのニオイを抑えることができます。少量の塩によって玄米の甘みが引き立ち、ニオイが相対的に気にならなくなるためです。スイカに塩をふって食べると瓜臭が抑えられて甘く感じる現象が、玄米にも同じ効果をもたらします。

ポイントは塩を入れすぎないこと。入れすぎると塩味の玄米になり、食事に合わなかったり、塩分の摂りすぎになってしまったりします。塩はあくまで玄米の甘さを引き立たせる脇役。ひとつまみだけ加えるようにしましょう。

少量のプレーンヨーグルトを入れる

炊飯時に少量のプレーンヨーグルトを入れると、2つの効果で炊きあがりのニオイを消すことができます。

一つ目の効果は、ヨーグルトに含まれる「アミラーゼ」という酵素がデンプンを分解し、玄米の甘さを引き出すこと。先ほど解説した冷水での炊飯や塩の効果と同様に、玄米の甘みを増やすことで相対的にニオイを感じにくくさせてくれる原理です。

二つ目の効果は、ヨーグルトに含まれる「乳糖」が玄米の藁のようなニオイを抑えること。藁のニオイが苦手な方には大きなメリットです。使用するヨーグルトは、必ずプレーンタイプにしてください。甘みが付与されているものは、炊きあがりの味を損なう原因になります。

方法5.玄米の精米歩合(ぶあい)を見直す

玄米のニオイを消す五つ目の方法は、玄米の精米歩合を見直すことです。これは玄米の藁のようなニオイを削減するのに大きく効果があります。そもそも藁のニオイは玄米に付いている糠がもたらすもの。あらかじめ糠を少なくした玄米を使用すれば、自動的にニオイも少なくなるというわけです。

市場には精米歩合を調整したお米が売られていますので、好みに合ったものを選ぶといいでしょう。精米歩合とは、玄米の糠を削る割合のこと。玄米を100%精米すれば白米になります。30%だけ精米した「三分(さんぶ)精米」、50%精米した「五分(ごぶ)精米」などが市販されているほか、専門店では精米歩合を指定することも可能です。

炊いた玄米が臭くなってしまったら?食べ方3選

これまでにご紹介した方法を試しても、どうしてもニオイが気になる場合もあるでしょう。いつもは上手に炊けていても、たまに失敗してしまうこともあるかもしれません。

カビが生えていたり、腐敗臭がしたりする場合は迷わず処分してください。少し臭いけれど何とか食べたいということであれば、食べ方の工夫でおいしい料理にすることもできますよ。

食べ方1.チャーハンにする

玄米のパラパラ感を生かせるチャーハンにするのがおすすめです。質感の相性がいいことに加え、玄米全体を油・たまご・濃いめの味でコーティングするので、玄米自体のニオイが気にならなくなります。ニンニクやカレー粉などの香りが強いものを調理に使用すると、よりニオイが紛れて食べやすくなりますよ。

食べ方2.カレーをかける

玄米にカレーをかけて食べるのもいいでしょう。スパイスは肉や魚の臭み消しに使用されるほどマスキング効果の高いもの。スパイスがふんだんに使用されたカレーは、ニオイが気になる玄米にはもってこいの食品です。粘度のあるタイプのカレーを使用すれば、より玄米との絡みがよくなり、コーティング効果が高まるのでおすすめです。

食べ方3.梅干しを一緒に食べる

玄米の酸っぱいニオイが気になるときは、酸味のある梅干しと一緒に食べると、ニオイが紛れて食べやすくなります。梅干しの他にも、梅味のふりかけやキムチ、ぬか漬けなどでも同じような効果を得ることができます。身近にある酸味のきいた食べ物を探して試してみてください。

まとめ

この記事では、玄米が臭くなる原因と、玄米のニオイの消し方について解説しました。

玄米は栄養価が高く、噛めば噛むほどに甘くなる風味豊かなお米です。「玄米を炊く前のニオイを消したい」、「炊きあがった玄米のニオイを消したい」、「玄米自体のニオイが気になる」とお悩みの方はご紹介した方法をお試しいただき、おいしい玄米をぜひ味わってみてください。

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